高知県のように産業が乏しい地域において、今でも公務員になりたい若者が多いです。
もちろん公務員は民間企業に比べて安定しているというメリットが多いのですが、実は公務員しか使えない積立貯金制度があるのをご存じでしょうか?
その名も「共済貯金」です。
噂には聞いていましたが、調べれば調べるほど、共済貯金がズルいほどの高金利であり、高知県の共済貯金は、定期預金の実に375倍という驚異的な利率だったことがわかりました。
今回は、一般に公開されている高知県市町村職員共済組合の広報誌を参照して調べました。高知県の公務員だけが使える共済貯金の概要や、メリットとデメリットを解説します。
高知県の公務員の共済貯金とは何か?
共済貯金とは、各都道府県の市町村共済組合が行う貯金事業のことです。
高知県の共済貯金については、高知県市町村共済組合が行っています。
高知県市町村共済組合の共済貯金の利率(令和4年11月現在)を見てみると、以下のようになっています。
種類 | 定期貯金 | 積立貯金 |
利率 | 年0.7% | 年0.75%(半年複利) |
預金額 | 10,000円以上 | 1,000円の整数倍 |
預入れ方法 | 銀行振込 又は窓口にて入金 | 毎月の給料及びボーナスより天引き。臨時に預入する場合は銀行振込、又は窓口にて入金 |
期間 | 1年満期(自動継続) | 満期なし |
おわかりいただけましたでしょうか。年利0.75%です。
ピンとこないので、参考までにいうと四国銀行の大口定期預金の金利は、現在0.002%です。つまり、高知県の公務員の共済貯金(積立貯金)は、四銀の定期預金の実に375倍の利率ということです。
高知県の共済貯金をシミュレーションすると、毎月50,000円ずつ積み立てた場合、5年後には元本300万円が、利息込みで304万4753円に増える計算です。
共済貯金なので株式のように元本割れのリスクはありません。だけど、すごく高金利…これは羨ましすぎますね。
高知県の共済貯金の加入資格は?
高金利で羨ましい高知県の共済貯金ですが、加入資格は高知県で働く地方公務員(高知県庁職員を除く)となっています。
そもそも、高知県の地方公務員は、高知県市町村職員共済組合に加入しています。
高知県市町村共済組合は、
・短期給付事業(健康保険)
・長期給付事業(年金)
・福祉事業(健康保険や年金以外の福利厚生関係)
といった事業を行っています。
そして今回紹介している共済貯金は、高知県市町村共済組合の「福祉事業」の一つです。
あくまでも公務員の福利厚生として提供されているのですが、個人的には福利厚生が非常にお得すぎるんですよね。
なぜ高知県の共済貯金は高金利?
ここまで高知県の共済貯金の利率が高いと、ついつい税金が使われていると勘ぐってしまいますが、どうやら違うようです。
共済貯金の利率の原資は、高知県市町村職員共済組合の運用益のようです。
高知県市町村共済組合の広報誌をみてみると、運用資産の割合が示されています、
高知県市町村職員共済組合の貯金事業は、815億円を運用しており、32%は国債、32.6%は一般事業債(社債)のようです。そして12.6%は電力債といった内容であり、株式には投資していないことがわかります。
このようにみると、高知県市町村職員共済組合は、かなり堅実な資産運用していることがわかります。
国債を運用し、共済貯金の高い利率として組合員に還元しているというわけなんですね。
高知県の共済貯金のメリット
【メリット1】定期預金の375倍の高い金利
いわずもがな、高知県の共済貯金の最大のメリットは、その高金利です。
日本は低金利なので、銀行に預けても利息はほとんど付きません。
一方で、共済貯金は元本割れのリスク無く、高い利息でお金を預けることができるので、これは老後の備えとしては非常におトクな投資商品といえます。
ちなみに、高知県内で最もおトクな定期預金といえば、高知信用金庫の収益還元型定期預金「リターンA」であり、年利0.1%(5年もの)です。
もちろん、高知信用金庫のリターンAも、一般的な定期預金と比べると、めちゃくちゃお得なのですが、高知県の共済貯金の利率は、リターンAの7倍以上の利率であり圧倒的です・・。
高知信用金庫のリターンAについての解説記事
【高金利】高知信用金庫の定期預金「リターンA」のメリットとデメリットを解説
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【メリット2】天引きでほったらかしでお金が貯まる
貯金が貯まりにくいと原因の一つが、自分で口座を移したり、意識しないと貯められないという仕組みにありますが、高知県の共済貯金の積立貯金については、毎月の給料やボーナスから天引きです。
つまり、ほったらかしで勝手にお金が貯まる仕組みがあるのです。
これならば、貯金が苦手な公務員でも、自然とお金が貯まるので、老後は退職金と共済貯金で悠々自適な暮らしが待っていますね・・羨ましい。
高知県の共済貯金のデメリット
【デメリット1】ペイオフの対象外
実は共済貯金はペイオフの対象外なので、もしも共済組合が破綻しても銀行のような1000万円までの保障はありません。
金融機関であれば1000万円以内であればペイオフが使えるため、一定安心ですが、共済組合には金融機関ではないため、保障対象外なのです。
とはいえ、共済組合は公務員が組合員なので、破綻するというのは現実的にはありえません。
それに、共済組合の共済貯金は、地方債や国債といったリスクの低い資産運用で増やしているので、リスクは極めて限定的といえます。
【デメリット2】共済貯金の利率の引き下げリスク
現在でも高い金利を誇る高知県の共済貯金ですが、実は過去の利率は、なんと年利1.35%という衝撃的な高金利の時代もあったようです。
高知県市町村共済組合の広報誌バックナンバーを見てみると、平成28年当時は1.35%の利率があったようです。
しかし、平成31年4月以降からは、年利1.35%の金利が、現在の年利0.75%に引き下げられたようです。
それでも十分高いのですが、しかし1%越えは凄すぎですね。。
このように、現在は0.75%の高金利ですが、このまま低金利が続けば、共済貯金の利率も下がっていく可能性は大いにあります。
とはいえ、一般的な銀行の定期預金に比べれば、はるかに高いので共済貯金の優位性は変わらないと思いますが・・・
【まとめ】高知県の公務員が共済貯金しないのは損!
少しでも高い金利で運用するためにリスクを負って投資をするのが、ばかばかしくなるほど羨ましいのが、公務員の共済貯金です。
高知県で公務員であれば、変に投資なんてしないで、まじめに働いて共済貯金に預けるだけでいいような気もしました。
もちろん、共済貯金と組み合わせてiDeCoをすれば、さらに資産は増えて、節税でできるので公務員はやはり、まだまだ恵まれているなぁと思いました。
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高知県でそれなりに収入を得て、自由な時間を確保しようと思えば、やはり公務員一択なような気もします。
なので、高知県で暮らすなら、まずは公務員を目指せ!そして、共済貯金に入れ!だと思いました。